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「Flax Scanner for 貿易書類 Bill of Lading汎用モデル」本日より販売開始

重点項目読み取り精度92%* / フォーマットを問わず50項目を自動読み取り

 当社は、オリジナルの高精度AI-OCR「Flax Scanner」において、世界中で幅広く使用されながらも、国や企業ごとにフォーマットが異なる貿易書類のBill of Lading(B/L)向けに、50項目を自動認識してテキストデータを抽出する「Flax Scanner for 貿易書類 Bill of Lading汎用モデル」を、2024年2月26日より販売します。

Bill of Lading = 船荷証券。運送契約を証明する貿易書類の1種。

 「Flax Scanner for 貿易書類 Bill of Lading汎用モデル」は、帳票に記載される項目から、使用頻度の高さや優先度などで整理した50項目(※別紙参照)をAIが自動で読み取ることが可能です。また、そのうち特に重要度の高い16項目は、文字単位精度で平均92.49%*、項目別精度で平均89.42%*と、高精度の読み取りを実現しています。

 輸出者・輸入者(メーカー/商社など)、船会社、航空会社、フォワーダー、保険会社(損保)、銀行など、貿易書類を扱う幅広い企業で導入することが可能で、UIを用いたシステム利用やAPIのみの提供のほか、細かなチューニング設定など当社によるカスタマイズ提案も可能です。

 シナモンAIは今後も、専用モデル構築までのコストと時間が不要で、スピーディに導入することができる、汎用性の高い高精度なAI-OCRモデルの開発により、貿易業界のDXを推進してまいります。

*いずれも当社テストデータ値

■開発の背景

 国内における貿易業務の一つに、貿易に関わる帳票(貿易書類)から人が必要項目を確認し、入力する業務があります。帳票のフォーマットは国や企業によって異なるため、必要な情報を確認するためには経験・スキルが必要であり、入力作業に時間がかかることが課題となっています。また、帳票毎にチューニングし、専用のAI-OCRモデルを開発するにはコストがかかるため、導入できる企業は限られていました。

 シナモンAIではこの課題への取り組みとしてこれまで、貿易業界の帳票に特化した専用AI-OCR「Flax Scanner for 貿易書類」、「Flax Scanner for 貿易書類 Commercial Invoice汎用モデル」を提供してきたほか、貿易業務実務者で構成される「貿易コンソーシアムへ入会」するなど、貿易業界のAI導入によるDX推進に注力し、導入実績とノウハウを築いてまいりました。

 この度、より多くの企業でAI-OCRを導入いただけるよう、「Commercial Invoice汎用モデル」に続き、「Bill of Lading汎用モデル」の販売を開始しました。シナモンAIは今後、Commercial Invoice、Bill of Ladingに続いてニーズのあるPacking List(包装明細書)、Arrival Notice(貨物到着通知 )など、帳票ごとの汎用AI-OCRの開発・導入拡大を目指します。

※2023年8月9日に発表した「Commercial Invoice汎用モデル」はアップデートを行い、より重要度の高い24項目は文字単位精度で平均94.42%(前回平均92.49%)、項目別精度で平均91.00%(前回平均89.42%)に読み取り精度が向上しました。

■主な対象企業

輸出者・輸入者(メーカー/商社など)、船会社、航空会社、フォワーダー、保険会社(損保)、銀行

■高度なAIテクノロジーで実現した、多様なフォーマットに対応する高精度汎用AI-OCR

 「Flax Scanner for 貿易書類 Bill of Lading汎用モデル」は、貿易書類を扱うあらゆる企業にとって、実用的なAI-OCR導入に必要な工数やコストを最小限に抑えたAIソリューションです。AI-OCRの多くは、フォーマット化された書類から、どこに何の記載があるのかを事前に定義する「座標定義型」で開発されますが、世界的な貿易取引においては、フォーマットが無数にあるため「座標定義型」で対応することは実質的に不可能と言えます。多様な帳票・書類を読み取ることが可能な AI-OCR の開発には、事前に抽出項目の座標定義が不要な 「特徴量学習型」と呼ばれる高度な技術が必要で、今回発表する「Flax Scanner for 貿易書類 Bill of Lading汎用モデル」は、この「特徴量学習型」で開発されました。

 「特徴量学習型」のAI-OCRは、AIに膨大なデータを学習させることで、特徴(パターンや一貫性)を見つけ出し、対象とするデータが何のデータであるのかをAI自身で特定させることが可能です。また、事前の座標定義が不要なため、フォーマットが無数に存在する貿易書類の読み取りに最適な技術です。

 シナモンAIは、幅広いフォーマットからAIが人間のように意味を理解してデータを読み取ることができる高度なAIテクノロジーを有しており、これらを総称するIDP(intelligent document processing=自動知識抽出技術)と呼ばれる技術領域に優れています。IDPは、企業のハイパーオートメーションを実現するためのベースとなる、非常に重要な技術です。


<参考資料>

 「Flax Scanner for 貿易書類 Bill of Lading汎用モデル」

読み取り対象50項目
輸出者・輸入者(メーカー/商社など)、船会社、航空会社、フォワーダー、保険会社(損保)、銀行など、貿易書類を扱う幅広い企業へのヒアリングより、Bill of Lading汎用モデルとして、以下50項目を読み取り対象項目に決定しました。
(重要度の高い項目は*)
(明細)と付いている項目は、表形式で読み取ります。


◇読み取り精度(シナモンAIによるテストデータ値)
重要項目精度 ●文字単位精度:平均92.49% / ●項目別精度:平均89.42%
全項目精度 ●文字単位精度:平均91.30% / ●項目別精度:平均87.45%

No.読み取り項目名
1Shipper/Exporter Name*
2Shipper/Exporter Address
3Shipper/Exporter Phone No.
4Consignee Name
5Consignee Address
6Consignee Phone No.
7Consignee Personal Contact Details
8Notify Party Name
9Notify Party Address
10Notify Party Phone No.
11Booking No.
12Export References
13Bill of Lading No. /Waybill No. *
14Shipping Company*
15Forwarding Agent-References FMC No. *
16Pre-Carriage by
17Place of Receipt/Place of Acceptance
18Ocean Vessel*
19Voyage No. *
20Port of Loading*
21Port of Discharge /To*
22Final Place of Delivery*
23Final Destination
24Type of Movement/Type of Service
25Marks & Nos.
26Container No.(明細)*
27Seal No.(明細)
28Type/Kind of Containers(明細)
29Type/Kind of Packages/Units/Blocks(明細)
30Number of Packages/Units/Blocks(明細)
31Description of Goods/Item Description(明細)*
32Gross Weight/Weight KGM(明細)*
33Gross Measurement/Measurement M3(明細)*
34Total Gross Weight*
35Total Gross Measurement*
36Total Number of Containers or Packages
37Responsibility for the Freight
38Rate (明細)
39Currency(明細)
40Prepaid(明細)
41Collect(明細)
42Exchange Rate
43Freight and Charges Payable at
44Prepaid at
45Place of Date
46Place of Issue
47Number of Original B(s)/L
48Date Cargo Received
49Date Laden on Board the Vessel*
50SIGNED BY: