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三菱ガス化学の国内5工場に高度なAIを活用した「KYアシストシステム」を導入

2023.06.29 (木)更新日

シナモンAI、三菱ガス化学の国内5工場に
高度なAIを活用した 「KYアシストシステム」 を導入
~ 大規模言語モデルを活用した、新たなシステム構築へ ~

シナモンAIは、三菱瓦斯化学株式会社の国内5工場に、当社の高度なNLP技術(自然言語処理技術)を活用した 事故・労災の削減、業務の効率化を推進する 「KY(危険予知)アシストシステム」 を導入したことを発表します。

今後は、「KYアシストシステム」 をバージョンアップしていくとともに、大規模言語モデルを活用したリスクアセスメントへの応用を視野に、保安分野における新たな事業領域への展開を目指します。

「KY(危険予知)アシストシステム」 のイメージ
事故情報やヒヤリハットをデータとして一元管理し、作業時に発生しうるトラブルを事前通知できるように

 

◇ 課題
三菱ガス化学の工場では、毎月多くのヒヤリハットが作成されており、現場の危険回避活動に加え、安全への感度醸成といった教育面で効果を表してきました。一方で過去に提出されたヒヤリハットの利活用といった点においては充分ではありませんでした。

 

◇ KYアシストシステムの開発
今回の三菱ガス化学とシナモンAIの取り組みは、当日行う業務の中からAIにより“作業”を抽出し、その作業に関連するヒヤリハット情報や事故労災情報をサジェスト、このサジェストされた事例を基にKY活動を行うシステムの構築となります(上図参照)。「KYアシストシステム」を活用することにより、保安事故・トラブル防止、労働災害防止の一助となることを期待しています。

「KYアシストシステム」は、三菱ガス化学の新潟工場を導入のテスト工場とし、2020 年 4 月に開発着手した AI モデルを、 2021 年 9 月より本番環境で運用開始し、国内5工場へ展開しています。今後は、更にリスクアセスメントへの応用へ機能拡張すべく検討を推進していきます。

 

▽ シナモンAIのトラブル情報分析ツール 「Incident AI」 とは

シナモン AIでは、従来の情報参照システムの課題とされている、入力キーワードのバラツキや、情報を参照する人の経験値に依存せず使用者が参照すべき情報を、高度なAI が自動でサジェストする仕組みを実現しています。工場やプラントにおける保全業務に対して、事故報告書やヒヤリハット、運転指示書など、多くの事故に関わるテキスト情報から、「Incident AI」が関連性の高い事故や、その原因・対策・結果などをサジェストし、また検索や報告書作成の分析ツールとしての利用が可能です。属人的な保全業務からの脱却を目指し、保安領域における総合保安力の向上を実現します。

今後は、リスクアセスメント業務への適用も見込んだ機能拡張や、ユーザーがより快適に使えるようなサポートを進めるとともに、直近のChatGPTに代表されるようなLLM(大規模言語モデル)技術の活用も推進していきます。

※なお、この度の「KYアシストシステム」は、「Incident AI」をベースに、三菱ガス化学向けにカスタマイズしたものです。

 

Incident AI(旧:スマート保安支援サービス) ※ページ改装中https://cinnamon.ai/industry/manufacturing/smartsecurityservice/

 

 

●三菱ガス化学とは
三菱ガス化学は、生産品目の90%以上を自社開発技術で製造するユニークな化学会社です。
創業以来、新しい技術と価値の創造に取り組み、メタノールやキシレン、過酸化水素といった基礎化学品から、高機能エンジニアリングプラスチック、発泡プラスチック、半導体パッケージ材料、脱酸素剤「エージレス」に至る機能製品まで、幅広い事業分野を通じて人々の暮らしを支えてきました。三菱ガス化学は、これからも「社会と分かち合える価値の創造」を行ってまいります。